マイクロプラスチックと健康リスク

最新研究と日本の水事情

はじめに

近年、マイクロプラスチック(MP)が環境問題だけでなく、人体への影響も懸念されています。

特に、MPが血液中に入り込み、血栓を形成する可能性が示唆され、脳卒中や心筋梗塞のリスクと関連している可能性があることが明らかになってきました。

本記事では、最新の研究結果を基に、MPがどのように体内に入り、どんな健康リスクがあるのかを詳しく解説し、日本の水道水の状況についても触れていきます。

1. マイクロプラスチックとは?

1-1. 定義

マイクロプラスチック(MP)は直径5mm以下の微小なプラスチック粒子のことを指します。

さらに、小さいものは**ナノプラスチック(NP, 直径1μm以下)**と呼ばれ、より深刻な影響が懸念されています。

1-2. 発生源

MPは大きく2種類に分類されます:

1. 一次MP:もともと小さなサイズで生産されたもの(例:化粧品のスクラブ剤、衣類の合成繊維)

2. 二次MP:大きなプラスチックが摩耗や分解によって小さくなったもの(例:ペットボトル、ビニール袋、タイヤの摩耗粉)

主な発生源には以下があります:

• 食品包装材やペットボトル(飲料容器、食品トレー)

• 合成繊維(フリース、ポリエステル衣類)

• タイヤの摩耗(車が走る際に削れる微粒子)

• 化粧品・洗剤(スクラブ入り洗顔料、歯磨き粉)

• タバコのフィルター(微細なプラスチック繊維を含む)

2. マイクロプラスチックの体内侵入と健康リスク

2-1. 侵入経路

MPは飲食物や呼吸を通じて体内に取り込まれると考えられています。

• 経口摂取:飲料水、食品(魚介類、塩、蜂蜜など)

• 吸入:大気中のMPが呼吸とともに肺に入り込む

• 皮膚吸収:傷口や経皮吸収の可能性(まだ研究段階)

2-2. 最新研究:血液中のMPと血栓形成

オランダのアムステルダム自由大学の研究では、成人22人の血液サンプルの77%からMPが検出されました。

(参照:wired.jp

検出されたMPの種類:

• PET(ポリエチレンテレフタレート):50%の血液サンプルから検出

• PS(ポリスチレン):36%の血液サンプルから検出

• PE(ポリエチレン):23%の血液サンプルから検出

これらのMPが血液を循環し、血小板を活性化して血栓を形成する可能性があると示唆されています。

2-3. 動脈プラーク中のMPと心疾患リスク

イタリアのローマ大学の研究では、動脈プラーク(血管の内側に蓄積するコレステロールなどの塊)の58.4%にMPが含まれていることが判明しました。

(参照:nejm.jp

主な発見:

• ポリエチレン(PE):58.4%のプラークから検出

• ポリ塩化ビニル(PVC):12.1%のプラークから検出

MPがプラーク内で炎症を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める可能性があるとされています。

MPが検出された患者は、検出されなかった患者に比べて、心疾患のリスクが約4.5倍高かったことが示されています。

3. 日本の水道水におけるMPの現状

3-1. 水道水中のMP検出

日本の水道水からもMPが検出されています。

• 千葉工業大学の研究(釧路市・那覇市):

• 1立方メートルあたり60~112個のMPを検出

• ポリエチレン、PETが主な成分

• 参照:alterna.co.jp

• 首都圏5カ所の水道水調査:

• 平均4.1個/LのMPを検出

• 参照:cosmowater.com

これらのMPは、ペットボトルや食品容器の劣化、浄水過程での流入が原因と考えられています。

3-2. MPを減らすための対策

1. 浄水器の使用

• 一部の浄水器はMPを除去できるが、すべての製品が対応しているわけではない。

• 高性能フィルターを備えた製品を選ぶ。

2. プラスチック使用の削減

• ペットボトル飲料の代わりに、水道水+浄水器の活用

• プラスチック包装が少ない食品を選ぶ

3. 環境への配慮

• プラスチックごみの適切な処理(リサイクル・分別)

4. まとめ

最近の研究では、マイクロプラスチックが血液に入り、血栓を形成する可能性があることが示されています。

特に、心血管疾患や脳卒中のリスクを高める可能性があり、MPの摂取を減らすことが重要です。

✔ 本記事のポイント

✅ マイクロプラスチックは血液中で検出されている

✅ 血栓形成を促進し、心血管リスクを高める可能性

✅ 日本の水道水からもMPが検出されている

✅ 浄水器の使用やプラスチック使用の削減が有効

私たちの生活の中で、MPの影響を完全に避けることは難しいですが、少しずつ対策をすることで健康リスクを減らすことが可能です。

今後も研究が進むことで、MPの影響がより明確になり、適切な対策が求められるでしょう。

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