近年、日本企業の経営において 「高齢化」 が大きな課題となっている。特に、大手企業である 日産自動車 と フジ・メディア・ホールディングス(フジテレビ) は、経営陣の高齢化や意思決定の遅れが原因で、厳しい状況に陥っている。両社はかつて業界をリードしていたが、現在は停滞感が漂い、株価も低迷している。
本記事では、特に 日産自動車の現状を中心に、フジテレビの問題とも比較しながら、経営陣の高齢化が企業に与える影響を考察する。
日産自動車の迷走――カルロス・ゴーンの遺産と崩壊
日産は、かつて「技術の日産」として業界を牽引していた。しかし、カルロス・ゴーン氏の追放後、経営は迷走し続けている。
1. ゴーン改革とその終焉
1999年、フランスのルノーから派遣されたカルロス・ゴーンは、当時経営破綻寸前だった日産の立て直しに成功した。
彼が行ったのは、以下のような大規模改革だ。
• リストラ:5つの工場を閉鎖、2万1,000人の人員削減
• コスト削減:部品の共通化、サプライヤーの統合
• ブランド再生:「フェアレディZ」「GT-R」などの復活
これらの施策により、日産は2000年代初頭に急速に業績を回復。しかし、2010年代に入ると 「ゴーン頼みの経営」 となり、彼の強力なリーダーシップが裏目に出る場面も増えていった。
そして2018年、ゴーン氏は 金融商品取引法違反 の容疑で逮捕される。彼は 「日産内部のクーデター」 と主張し、日本の司法制度を批判しながら レバノンへ逃亡 した。
この事件をきっかけに、日産の経営は再び混乱に陥る。
2. ゴーン追放後の迷走
ゴーン氏の退任後、日産は以下のような問題を抱えるようになった。
① 業績の低迷
日産はここ数年で赤字転落 し、リストラを繰り返している。2024年度上半期決算では、営業利益が前年同期比 90.2%減 という衝撃的な結果となった。
主な原因は以下の3つだ。
• 市場ニーズの読み違い
→ 日産は電動化への投資が遅れ、競合のトヨタやテスラに遅れをとった。
• ブランド価値の低下
→ 海外市場での値引き販売が常態化し、「安売りのブランド」という印象が強まった。
• 新車開発の遅れ
→ 他社が続々と新型EVを発表する中、日産は「リーフ」に続く目玉車を投入できていない。
② 経営陣の高齢化
ゴーン時代の後、日産の経営陣は 50代後半~60代の幹部 が中心となった。彼らは慎重な経営を重視するが、スピード感のある意思決定ができていない。
現在の 内田誠CEO(2020年就任) も、経営再建に苦しんでいる。
③ ホンダとの経営統合失敗
2024年、日産は ホンダとの経営統合交渉 を進めていた。しかし、日産内部の反発が強く、最終的に交渉は破談した。
特に、「対等合併ではなく、ホンダの傘下に入る形になりそうだった」 という点が問題となり、日産側が拒否したと言われている。
これにより、日産は自力での経営再建を余儀なくされる こととなった。
フジテレビも同じ道を辿る?
日産と似たような問題を抱えているのが、フジテレビ(フジ・メディア・ホールディングス) だ。
1990年代まで視聴率トップを誇ったフジテレビだが、現在は業績が低迷し続けている。
1. フジテレビの凋落
フジテレビの視聴率低迷の要因は以下の3つだ。
• コンテンツのマンネリ化
→ 昔の番組のリメイクや、過去の成功パターンに依存している。
• デジタル化への対応不足
→ NetflixやYouTubeの台頭により、テレビ離れが加速。
• 経営陣の高齢化
→ トップ層が60代以上の幹部ばかりで、時代の変化に対応できていない。
特に、スポンサー離れ が深刻で、広告収入の減少が止まらない。
共通する問題――企業経営における「高齢化」リスク
日産とフジテレビに共通する問題は 「経営陣の高齢化」 だ。
✅ 決断が遅い → 市場変化についていけない
✅ 過去の成功体験にしがみつく → 新しいアイデアが生まれない
✅ 若手の意見が反映されない → 組織の硬直化
企業において、「経験豊富なリーダー」は必要だ。しかし、意思決定のスピードが求められる現代において、高齢化した経営陣が意思決定を遅らせているケースが増えている。
今後の展望――株主が主導権を握るべき?
日産もフジテレビも、経営陣の問題を抱えたままでは回復は難しい。
特に、株主がより強い主導権を持ち、経営陣の刷新を促す 必要がある。
✅ 若手経営者の登用
✅ 株主提案の積極活用
✅ 意思決定プロセスの透明化
こうした改革が進まなければ、日産もフジテレビも 「緩やかな衰退」 から抜け出せない可能性が高い。
まとめ
日産とフジテレビの問題は、単なる経営戦略のミスではなく 「組織の高齢化」 に起因するものが多い。
経営陣の若返りと意思決定スピードの向上が、今後の成長の鍵となるだろう。
「過去の栄光にすがるか、未来に投資するか」
その選択を間違えれば、両社の未来はさらに厳しいものになるだろう。
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